万物快楽理論

ポケモンブログです。

今更『るろうに剣心 最終章 The Final』を観に行った話(ネタバレレビュー)

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はじめに

俺はまぁまぁな剣心オタクであると自負しています。

原作は勿論揃えていますし、アニメ・OVAも一通り観ています。

画集もあるし、一応映画も一通り観ています。

キネマ版と炎を統べるだけ観てないですが、どちらも概要は掴んでいます。

特に原作に関しては唯一自室に保管している漫画で、2ヵ月に1回くらいは寝れない時に一通り読み直しています。

 

以上厄介なオタクになる材料は揃っているわけなので、勿論この記事内で俺はまぁまぁ厄介なオタクになっていると思います。注意。

 

とどのつまり原作厨に片足突っ込んでるのですが、アニメ版(京都大火編辺り)と映画一作目の出来は極めて良かったので、特別原作至上主義というわけでもないです。

 

、つい先日(というか昨日)

緊急事態宣言の影響で公開以降ずっと映画館が閉まっていたのですが、つい最近「るろうに剣心 The Final』を観に行けるようになったのでようやく足を運びました。これは原作で言うところの「人誅編」にあたるストーリーです。

 

前評判もある程度伺っていたので色々と覚悟(?)はしていきましたが、従来作品同様突っ込みどころが多々ありました。(特に今回の突っ込みどころは物語の根幹に関わるので尚更気になった。詳細は後述)

ストーリーをいちいち書く気にはなれないので、登場人物一人一人の評価(って書くと超上から目線やな…)と、突っ込みどころを踏まえた評価をまとめていきます。

 

タイトルにもあるけど、原作と映画のネタバレにバチバチ触れるので注意です。

あと、このブログは自己満チラ裏ブログなので個人的感想だらけです。それを踏まえた上で読んでください。推敲も特にしていません。

 

登場人物評価

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 緋村剣心 (佐藤健)

アクションシーンの質が非常に高く評価すべきなのはそりゃまぁそうとして。

 

今回は京都大火編のようにただひたすらアクションというわけではなく、どちらかといえば心の葛藤人間の成長を描くヒューマンドラマに近い側面があると思う。

こういった映画の場合、観客を感動させるには少なからず登場人物へ感情移入させる必要があり、他の映画に比べて演技力が重要になってくる。

…と思うんですが、今回の緋村剣心は、なんというか緋村剣心のフリをした佐藤健といった感じで、常に淡々と話し、感情の抑揚が少なく、剣心特有の口癖「おろ?」もすげぇ取って付けた感じがあってもどかしい気持ちになりました。

 

演出面に関しても、人誅編は先ほども言った通り成長が一つのキーワードです。

原作においてそれは主人公である剣心も例外ではなく、「不殺」を誓い、少なくとも目の前の人たちは必ず守るという信念を、(ヒロイン)の死という重大なイベントを経て圧し折られてしまい一度は脱落するも、仲間への想いが断ち切れず「たとえ何があろうとも前へ進む」決意を胸に復活。という成長の流れがありました。

 

しかし、今回はその辺の演出がバッサリとカットされた為に、今作での剣心はただただ強く、敵である雪代縁をボコって「お前の生き方は間違ってるやでー^^v」で終わり。

衝撃的ではありますが薫死亡のシーンは人誅編で最も大事なシーンだと思っています。どうしてカットしてしまったのか…(全年齢対象ゆえに過激なシーンがダメなのかとも思いましたが、もっとグロテスクなシーンが何個かあったのでそういう理由ではなさそう)

 

と思って書いてる最中に思い出しましたが、原作では「外印」というキャラクターが薫の死体(に見せかけた人形)を作りだし、それを剣心に見せることで完全に心を折るという作戦でした。(これが本来雪代縁の目的であった"人誅"です)

 

でもこの「外印」、よくよく思い返すと映画第一作目で先走って出ちゃってるんですよね

それ言っちゃうと戍亥番神も出てるから今作でもやりようがあったんじゃないかとも思うんですが…

 

 あと気になったのは薫が攫われてから救出までのタイムラグ

一作目で薫が攫われた際はブチ切れてノータイムで助けに向かったと思うんですが、今回は夜に攫われて実際助けに行ったのは明け方です。これまで何回も攫われていながら殺されてはいなかったので、今回もどうせ生きてるだろと踏んだのでしょうか。(ちなみに原作では、当分の間剣心は「薫は死んだ」と勘違いしていたので、攫われてから助けに行くまでにかなりのラグがありました)

 

ついでにこれはもう仕方無いかもしれないんですが、多分制作陣は剣心が飛天御剣流の使い手」ということを忘れていると思います。一作目では『双龍閃』を使っていたりとまだ名残があったのですが、今作は技どころか抜刀術も使っていません。ただひたすらに強くてすばしっこい剣客です。

 

キャスティング自体は完璧だと思うのですが、演技面・演出面ともに「うーん…」と言える部分が多々ありました。一作目の剣心の出来が良かっただけにちょっぴり残念です。

 

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雪代縁(新田真剣佑)

キャスト発表の際原作厨の間で賛否両論あったみたいですが、個人的には十分正解だったと思います。というか腕の筋肉の再現性が高すぎてそれだけで満点です

 

上海に長く居たという設定は健在だったので、もう少し片言感が出ていればもっとそれっぽくなったとは思いますが、それを込みにしても原作厨的にもかなり満足の行く演技だったんじゃないかなと思います。剣心が飛天御剣流を完全に捨てていたのに対し、縁は刀を逆手に持つスタイルで倭刀術をそれっぽく再現していたのも高評価です。

 

演出面に関してはまぁ仕方無いと言えば仕方無いんですけど、

 

  • ①薫が死ぬという"結果"を見せないのであればなぜ薫を攫ったのか
  • ②人誅の目的を「(剣心に)痛みではなく苦しみ(恐らく原作で言う所の"薫の死")を与えることだ」と言っておきながら「これで人誅は完成する!」とか言って剣心を直接ボコろうとする
  • ③原作では攻撃対象を「剣心に関わりのある者」に割と絞っていたのだが、映画では無差別に攻撃しておりやってることが志々雄と同じ

 

あたりの疑問点がありました。

①に関しては本当に謎で、一緒に観に行った方とも考察していたのですが、「武井咲可愛いし衝動的に…?」という結論で落ち着きました。説得力ありますね。

 

②に関しては、原作では「薫の死をも乗り越えた剣心は直接手を下して地獄に送るしかない」という理由で、「心を圧し折る=人誅」から「剣心をボコる=人誅」という目的の転換がありました。

しかし、再三言ってる通り今回は薫の死がありません。

②で挙げたセリフは物語の比較的序盤に発せられたものなのですが、多分変に原作に忠実にしようとしてなんか辻褄合わなくなっちゃったんじゃないでしょうか。

もしくは「外印にあたるキャラが居ない以上"薫の死"を演出するには縁が薫を殺さなければいけないが、縁は薫と巴がダブって殺せないので目的を転換した」可能性もあります。原作でも縁は過去のトラウマから巴と似たような女性を殺すことが出来ないという設定があるので、後者の説の方が自然かもしれません。「殺そうと思って攫ったが殺せなかった」と考えれば①の回答にもなりますね。そういうシーンありましたし。

 

③は完全に演出の都合でしょう。

なんかスケール広げた方がすごいことやってる風に見えるんで広げただけだと思います。結果的にやってることが志々雄の下位互換になってしまったのが残念です。

 

ともあれ薫の死というシーンが無くなったせいで演出面に色々不備が出ているイメージです。どうしてカットしてしまったのか…(n回目)

 

雪代縁の評価としては、キャストは完璧。演技もすごい。演出のせいで大減点

そんな感じです。

ちなみに映画冒頭、列車内での戦闘シーンは素晴らしかったです。

あれだけはオリジナルのシーンの中でも評価できる部分でしょう。

 

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神谷薫(武井咲)

前述通り今回のストーリーではキーパーソンの一人となるはずなのですが、ただ攫われて何もされず、なんならふかふかのベッド付快適空間で過ごしたのち救出されるだけのピーチ姫になってしまっています。多分ピーチ姫より好待遇です。

薫に限って言えばこれ自体は原作でも概ねそうっちゃそうなのですが、そもそもが攫った代わりに神谷薫に似せた死体人形を置き土産として遺すことで初めて成立する誘拐です。

今作ではただ攫われただけということもあり、剣心も剣心で、薫を救出することよりも縁をボコることに気持ちの比重が傾いていたイメージです。

 

原作では人誅編終了後、剣心と薫は結婚する仲にまで発展するのですが、映画版を全部見た感じではそれほどまでに絆を深めるきっかけがほとんどないので、映画版剣心は薫にそれほど思い入れが無いのかもしれません。剣心が薫を助けに行くまでにタイムラグがあったのも頷けます。

 

ぶっちゃけ薫は映画版だと「ちょっと剣術をかじるただのか弱い女の子」ですしね。

剣心側が魅入る要素はありません。

 

以上演出面ですが、演技面はまぁ普通だと思います。

というか薫は登場人物の中でも一番癖が少ないキャラだと思うので、「普通」という評価が最高点になると思います。

 

 

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相良左之助(青木祟高) 

そもそもキャスティングの「なんか違う感」は一作目から言われていることなので置いておくとして。

前作は志々雄との対決に参加し、ついでに十本刀の一人を倒す活躍も見せていましたが、はっきり言って今回は良いとこなしです

敵アジトの入り口ドアを開けたくらいでしょうか。

 

原作では、

  • 縁の仲間の一人 戍亥番神を撃破する
  • 四神 白虎を撃破する
  • 斬馬刀でアームストロング砲を打ち返す

などの活躍を見せていましたが、今作では道場に直接乗り込んできた縁に素手でボコられて9割出番終了です。

とはいえ前作で「二重の極み」を習得していない以上、実力は「喧嘩屋」当時のままでしょうし、その状態で敵と戦っても一方的にボコられるのは目に見えているので早々の退場は命拾いだったかもしれません。

 

人誅開始寸前、実行者に思い当たる節のある剣心に左之助が「俺になら話していいんじゃねぇか?」と問い詰めるシーンがありますが、明らかに実力不足な左之助に話した所で微塵の助力にもならないでしょう。

映画版剣心は仲間が全員弱い割に敵の強さは概ね原作据え置きなのでかなり難易度上がってると思います。

ハードモードかな?

 

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明神弥彦(田中偉登)

実写版シリーズ最大の被害者です。

個人的に人誅編で最も成長を見せるのが弥彦だと思っているのですが、全く出番がありませんというか実写版剣心シリーズ通してほぼ出番ありません

 何のために登場したんでしょうか。

 

原作での京都大火編含めた弥彦の大きな活躍として

  • 十本刀『飛翔の偏也』を撃破
  • 周囲が全員戦意喪失する巨体の持ち主 十本刀『破軍乙 不二』に一人で立ち向かう
  • 縁の仲間の一人 乙和瓢湖を撃破
  • 縁の仲間の一人 鯨波兵庫に一人で立ち向かい、最終的に改心させる
  • 左之助でさえ見限った心の折れた剣心を最後まで信じ続ける
  • 四神の一人 玄武を撃破

などがあり、各戦闘のたびに大きな成長があるのですが前作通して全部カット

乙和瓢湖鯨波兵庫は今作で登場しましたが、どちらも剣心が一方的にボコり、後者に関しては結局改心することなく終幕を迎えました。

 

もはや弥彦が居なくては人誅編は成立しないレベルのはずなのですが、弥彦が居なくて""成立してしまったのが実写版人誅編です。

 

今作の比較的序盤に、弥彦が自主的に稽古に参加しているのを見た薫が「あの子はあの子なりに状況を理解して強くなろうとしている」と剣心に呟くシーンがあったので、もしかすると弥彦にも戦闘シーンが…?と思ったのですが、唯一対峙した敵が。原作に比べてあまりに相手が悪すぎます。

 

キャスティング・演技は悪くないと思うのですが、いかんせん何もしていないのでそれ以上に評価すべき点がありません。

至極残念です。

 

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高荷恵(蒼井優)

これもそもそもキャスティングに解釈違いがあるような気がするのですが今更なので省略。

恵に関しては原作でも何もしていない(戦闘員でもヒロインでもない)ので存在感が薄いのは至極当たり前と言えます。

 

原作では二重の極みの使い過ぎで右腕が完全にぶっ壊れた左之助を治療していましたが、今作では左之助が縁にひたすらボコボコにされた為に右腕だけじゃ済まなくなっていました。治療箇所を活躍の場と捉えるなら、むしろ出番が増えた稀なキャラクターかもしれません

 

特に言うことはありません。

 

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斎藤一(江口洋介)

一作目にて、後世に語り継がれる秘技「牙突(浮遊式)

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を生み出した功績が個人的には未だにトラウマとして根強く残っているので、実写版斎藤一にあまり良いイメージは無いのですが、それを抜きにしても演技面・演出面ともにちょっとな~と思う部分がありました。

 

まず演技面ですが、これは割と厄介オタクな解釈違いになってしまうんですけれども。

斎藤一はたとえどんな逆境に立たされようとも、タバコをフーっと吹いて阿呆がで済ます超絶クールなスタンスを貫いてほしいんですね。実際原作はそんな感じです。

しかし実写版では割と表情豊かと言いますか、なんか違うんすよね…(オタク特有の表現力不足)

 

演出面/脚本面では、今作の斎藤一ひたすら雑魚狩りに勤しんでいたイメージですヒソカかな?

 

今作で対峙した敵としては

  • 雪代縁(映画冒頭。ただし対峙しただけで何もしていない)
  • 雑兵多数
  • 戍亥番神(にあたるオリジナルキャラ)

となっています。

戍亥番神は手を装甲で覆ってはいるもののそれ以外は徒手空拳です。ちょっと強い左之助みたいな感じです。そりゃ勝つだろとしか思えません。(原作では「八ツ目無名異」と対峙)

また、雪代縁を密偵を依頼していた沢下条張に裏切られ、偽の本拠地を教えられまんまと罠にハマるなど、なんともいえないダサさが隠せません。(後述でも触れますがこの辺の改変は本当に意味不明)

 

セリフの数も悪い意味で少なく、存在感の塊のようなキャラのはずなのに一切存在感が感じられず、エンディングでも特に登場することなく終わったなんともいえない立ち位置になっています。

 

演技はまぁ、その演出ならそうなるよなって感じでしかありません。

 

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四乃森蒼紫(伊勢谷友介)

前作から割と恵まれない立ち位置でしたが、今作はさらに酷い立ち位置となります

 

原作での蒼紫の役割としては

  • 巴の日記を持ってくる
  • 道場に置かれた"薫の死体"が偽物である可能性に気付く
  • 縁の仲間の一人 外印を撃破
  • 四神 朱雀を撃破
  • 剣心と念願の「茶の湯」を実現させる

などがあります。

まず、巴の日記を持ってくる所は原作通りです。ここを改変する意味はありませんからね。

問題はそのあとです。

まず"薫の死体"は登場しないので2番目はカット。"薫の死体"を作り出した"外印"がそもそも居ないので3番目もカット。

四神は居るには居るが実写版だとどうやら戦闘要員では無くなっているので4番目もカット。

そして、市街戦にて無名異と交戦するも、爆風に巻き込まれた一般人を庇い生死不明という結末を迎えます。結末と言ってますがこのシーン自体は割と中盤です

そしてそのままエンディングへ。蒼紫の生死は不明のままとなってしまいました。

まぁこれに関しては"大人の事情"が絡んでくるので仕方ないのかもしれませんが、蒼紫は割と人気キャラの一角なだけに残念がるファンも居たのではないでしょうか。

 

セリフも一言くらいだったと思います。南無

 

 

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巻町操(土屋太鳳)

前作では終始存在感が薄い立ち位置でしたが、今作では一転して剣心側戦力No3の実力者として名を連ねます。

 

蒼紫と共に東京へ訪れた操は、人誅に巻き込まれ、市街地で雑兵や無名異との戦闘(蒼紫との共闘)になるのですが、途中で蒼紫が負傷し前線離脱

 

その後、縁のアジトに乗り込んだ剣心をサポートする形で戦線に加わり、雑兵をバッタバッタとなぎ倒していきます

さらには蒼紫でさえ撃破出来なかった八ツ目無名異を見事撃破したことで、剣心/斎藤に次いで見事中ボスを倒した実力者になりました。

 

原作では機雷漂う海を渡って縁のアジトへ潜入する際、飛びクナイで海中の機雷を爆破させるくらいしか活躍が無かったのですが、とんでもない大躍進っぷりとなりました

 

これは割と高評価です。逆ならまだしも、活躍していないキャラが活躍するようになるのは原作ファンやキャラが好きな人としても嬉しいでしょうし。

 

演技面でも非の打ちどころが特に無く、キャラもしっかり立っていた為、縁と同じくらいには完成度の高いキャラクターとしてまとまっていた気がします

 

 

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乙和瓢湖(柳俊太郎)

人誅序盤、一番最初に遭遇する縁側の中ボスです。

今作では剣心と対峙し、割と一方的にボコられてました。

 

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ちなみに原作ではこんな感じ。

クソでけぇ飾りみたいなのは実は武器であり、このように武器に見えないけど実際は武器であるという「暗器」を用いて戦うキャラです。

 

原作では弥彦と対戦し、ギリギリの戦いを繰り広げながら成長を続ける弥彦に敗れて捕縛されるという形だったのですが、今作では弥彦の超絶上位互換である剣心が対戦相手と非常に分が悪かったですね。弥彦に負けるんですから剣心なら瞬殺です。

 

だからまぁ実写版ではかなりバフが入っていた感じですね。原作では「素人の太刀筋」と評される乙和の実力でしたが、実写版だと作中でもかなり上位に食い込む実力者だと思います。

 

まぁ原作に基づいたイメージとは結構違う感じですけど、これはこれでアリなのかなと。むしろ原作より格好良かったですし、演技も上手かったので概ね高評価ですね。

 

これは蛇足ですけど。

乙和が用いる暗器の一つに「梅花袖箭(ばいかちゅうぜん)」というものがあります。

端的に表すなら手首に巻くタイプのニードルガンなのですが、実写版で剣心と乙和が激しい戦闘を繰り広げ、ガチャガチャと激しい戦闘音をかき鳴らしている最中に1回だけ乙和が「梅花袖箭!」と言ってこれを発射してるんですね。

 

原作知らない人からしたら「なんか言った?」としか思わないし、原作を知っていたとしてもそもそもどさくさに紛れ過ぎてマジで聞こえにくかったので、多分その時シアター内でこれに気付いてた人俺くらいだと思います。

 

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乾天門(丞威)

映画版オリジナルキャラクターです。

とはいってもキャラクターとしては"戍亥番神"そのものであり、彼はシリーズ一作目で先走って出てしまった都合でこうなってしまっただけで、乾天門=戍亥番神と思って差し支えありません。

 

原作では警官隊をボコって気持ちよくなったのち左之助と2回対峙。

いずれも左之助の「二重の極み」により装甲を破壊され、1回目は撃退、2回目は撃破されてしまいます。

左之助の見せ場となるポイントの一つでもあるのですが、前述通り実写版左之助は「二重の極み」を習得出来ていないのでお話になりません。

実写版でも警官隊がボコられるシーンはあるのですが、幸か不幸か左之助が辿り着いた頃には既に乾は居なくなっており、無事戦闘は回避されました。

 

そんな乾が次に誰と対峙したかというと、剣心と斎藤一。相手が悪すぎます。

剣心側戦力が軒並みナーフを受けている中それほど戦力低下の影響がない二人と対峙してしまったことが運の尽きでしょう。

 

とはいえ流石に据え置きでは乾側が瞬殺されてしまうためにテコ入れが入ったのか、斎藤一とはまぁまぁいい勝負を繰り広げたのち、牙突みたいな技で吹き飛ばされて戦闘不能に。

 

原作でも割と脳筋キャラだったので演技面としては上手く表現出来ていると思いますが、演出・脚本面で言うと縁陣営はどうにも相手に恵まれていない感じがありますね。

 

というか実写版では大体剣心が一人でなんとかしてるので、原作でも実は剣心が一人でなんとか出来た説があります。

 

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八ツ目無名異(成田瑛基)

縁側の仲間である中ボスの一人。

 

原作では斎藤一と対峙し、それなりに手傷を加えるも結果的には酷いボコられ方をして終わりですが、実写版では剣心側三大勢力(と思われていた)の一人である四乃森蒼紫(やや卑怯ではあるが)撃破するという飛ぶ鳥を落とす大躍進を見せます。

とても「天井裏から愛をこめて」なんて舐めたユーモアを口に出すようなキャラではなくなっており、実写版では一般人も平気で手にかける、終始残忍なキャラとして描かれていました。

 

のですが、唐突に運営から修正が加えられたSSR巻町操には勝つことが出来ず、操の「回天剣舞」を模倣した技の前に斃れます。

 

実写版剣心の中ボスが軒並み噛ませ犬としか思えない敗れ方をする中で、唯一剣心側の主力を打ち倒したキャラクターでありますが、どちらかといえば蒼紫が想像以上に弱かったという点が大きく、一番驚いているのは無名異自身かもしれません。

 

イメージとしては大きく異なるビジュアル・演技ですが、まぁこれはこれでアリなのかもしれません。

 

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鯨波兵庫(阿部進之介)

原作通り、牛鍋屋「赤べこ」へアームストロング砲を打ち込むことで人誅開始の合図とする役割を持ち、その後は市街地へ降り立ってガトリングをぶっぱなす狂人と化します。

 

あ、ちなみに原作通りなのは赤べこ」へアームストロング砲を打つ部分だけで、その後もまぁ正しいっちゃ正しいんですけど、その間の出来事を全て端折ったせいで、実写版ではただの狂人になってしまってます。

 

原作では、砲撃前にまず「赤べこ」に来店。一番安い飯を頼むと注文したはずなのに店側のサービスで少し高いメニューが提供されると、笑顔で「御心遣い有難く頂戴致す」と感謝を述べる一面を見せる。

その後は先も述べたように人誅開始の合図を担当。その後神谷道場に乗り込み剣心や斎藤と対峙。一時捕縛されるも剣心への恨みから脱走し市街地で暴れまわる。

 

"鯨波の剣心への恨み"というのは、かつて剣心に右腕を切り落とされ武人としてやっていけなくなった自分にトドメを刺さなかった(=死に場所を奪った)ことに起因します。

 

しばらく市街地で暴れまわっていると、弥彦が鯨波の前に立ちふさがり戦闘。

一時は不利になるも、薫死亡ショックから立ち直った剣心が鯨波の元へ直行。右腕に付けたグレネードランチャーを切り落とすと、そのショックにより狂った状態から冷静な状態へと落ち着く。

剣心に「今度こそトドメを刺せ」と進言するも、弥彦が諭したことで自分の過ちを認め謝罪、感謝と共に改心する。という、敵味方双方の成長に繋がる貴重な敵である。

 

しかし実写版ではこの辺りのバックストーリーが全く語られず、かつ弥彦が空気な為に改心することもなく撃破してしまったので、「怒り狂って暴れた挙句鎮圧されると死にたがるやべぇ奴」というイメージに落ち着いてしまいました。憐れ、鯨波

 

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沢下条張(三浦涼介)

 

え…誰…?

二作目ではまぁまぁ普通に「張っぽさ」があったはずが、それを全てかなぐり捨てて再登場。一転変わってクッソ陰湿なキャラへと変貌。

 

まず原作での張の人誅編での役割ですが、

  • 斎藤一の元で密偵として活躍し、縁のアジトや外印の工房を発見する
  • 最終的に密偵に飽きてトンズラしようとする
  • 元敵だが仲間想いで憎めないとても良いキャラ

です。一方実写版では

  • 斎藤一の元で密偵を行うが、実際は縁側からの策により偽の情報を流す二重スパイである
  • 縁に自分の刀の実力を過小評価されキレた結果、惨敗(戦闘描写はカット)
  • 口の中にメッセージを詰め込まれた状態で神谷道場で郵送され剣心の元に送られる(死亡済)

 

という散々な改変を受けていました。

まだ薫の死亡シーンカットや、蒼紫の出番省略、左之助の雑魚っぷりは説明が付きますし、都合も分かります。

 

ただ張に関してはマジでなんでこんな改変にしたのか分かりません

 

これを「」として見ないのであれば演技的にはとても良いキャラだったのですが、いかんせんこれが「」と言われると「…え?」となります。原作厨じゃなくても、「原作知ってるし映画も好きなんだ^o^」って人も同じ感想を抱くと思います。

 

元々好きなキャラだけに残念ポイント高めです。

 

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呉黒星(音尾琢真)

原作とは打って変わってすげぇ強そうな風貌ですが、実際は概ね原作通りだったので不満は特にありません。

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                 (原作)

個人的には四星にはそれぞれの技で戦ってほしかったのですが、皆銃をぶっぱなしまくった結果剣心にボコられたのがちょっとだけ悲しかったですね。

 

 

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瀬田宗次郎(神木隆之介)

演技面は相変わらずピッタリですね。

縮地前の飛ぶ癖はなんか再現されるとちょっと笑っちゃうんですけど、まぁ瀬田宗次郎といえば神木隆之介しかいないでしょうし、演技もとても上手いです。

 

演出面・脚本面については一言。

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ~そういうことするんだね~~~~~~~~~~~~~

 ぶっちゃけ萎えました。

製作側の意図が透けて見えるだけに増々萎えましたね。一緒に観に行った方は萎える通りこして怒ってました。厄介だな。

 

 総評

アクションはすごい。すごいんですけど、なんか一人の人が無傷で雑魚をひたすら蹴散らすのって、あんま観ていて緊張感が無いんですよね。

1vs1でギリギリの戦いをしてる方が個人的には好きです。個人的には。

 

全体的なストーリーとしては、「まぁこんなもんなのかな」と思いました。

2時間ちょいで、しかも回想込みなら仕方無いのかな~~~~~~~~~でももうちょい頑張れたんじゃないのかな~~~~~~~といった感じ。

 

それより問題なのは、キャラの扱いが非常に雑だないう印象を受けました。

剣心はともかく、メインキャラであるはずの薫・弥彦・左之助は終始空気だし、敵は相変わらず噛ませのオンパレード斎藤一は敵の思うツボにハマった挙句雑魚狩りに精を出し、四乃森蒼紫早期退職

特にとかはそれなりに人気の高いキャラですし、怒ってる人も居るんじゃないでしょうか。

 

 まぁなんというか、原作ファンは渋い顔をするだろうし、映画だけ観てる層も置いてけぼりにしてしまってる感があって、どうにも中途半端な仕上がりになってしまっている感じが否めません。(後者に関してはThe Beginningで補完されているのかな?)

 

これは実写版るろうに剣心全作に言えることですが、あくまでこれは「同名の別作品」と割り切る必要があります。感覚的には同人作品みたいな感じでしょうか。

 

 興味本位で観るのなら全然良いと思いますけど、「るろうに剣心の実写版」として観るのはやめた方がいいかも。というのが俺の評価ですね。

 

冒頭でも書きましたが、このブログは俺が思い付いたことを俺の思う通りにただ書くだけのチラ裏ブログなので何か思うことがあってもそっと胸にしまっておいてください。